某日
雷に打たれたようなショック、とはあのような事を言うのだろう。
本日ユリアン閣下の提唱された「人体再構成理論」が我々研究員一同に与えた衝撃は、正にそれであった。
素晴らしい、の一言である。
長くこの組織の研究員を務めてきた私達でさえ―言うまでも無くこの組織の科学技術や知識は、世界のそれを凌駕していると言うのに―、 あの理論には全く驚かされた。今も、興奮の余りペンを持つ手が震えているほどなのだ。
一体、人間があのような理論を完成させても許されるのだろうか。
二日後より、あの理論に基づいた新たなプロジェクトに着手する。
あの奇蹟の様な理論を現実のものとする研究に、主任として携る事ができると言うのは、本当に、幸福である。

某日
いよいよプロジェクトが始動する。
以前の”ネクロ”は土台があったが、今回は全くゼロから創造するわけだ。
”ネクロ”よりは完成に多少時間がかかるであろう。
とはいえ前例があるので、幾分スタートし易かった。
”ネクロ”を超える兵器が生まれると思うと、今から気がはやる。

某日
「完成型」の経過は順調だ。

某日
遂に1号が完成する!
出来上がりも完璧だ。
閣下の理論はやはり素晴らしい。
強化改良案も同様で、戦闘能力もプロトタイプを遥かに上回っていた。
完璧な殺戮マシーンの誕生だ。
記憶損失率は完全なる0%ではないが、それは後々改良して行く事にしよう。

某日
1号に続き2号から6号までも完成した。
幾日かすれば14号までが完成するだろう。

某日
彼らは創造主が誰であるかちゃんと理解しているらしく、閣下の事を「DAD」と呼ぶ。
思わず微笑ましさを感じてしまった自分に、苦笑する。
彼らは殺戮マシーンであると言うのに!
言語も流暢ではないが操る事は可能であるし、こちらの言葉も解する。
全く、結構である。

某日
試験的にミッションを与えるが、彼らは皆完璧に遂行した。
戦闘能力については申し分ない。
しかしやはりミッション後の記憶損失率はゼロではない…じっくりとこれに取り組まねば。

某日
本日彼らに新たなミッションが与えられた。
彼らのプロトタイプ――”ネクロ”と、彼と行動を共にしていると言う”エフィー”の抹殺である。
彼らならば問題なくミッションを遂行するであろう。
新しいものが古いものよりも優れているという事は、この世の不文律である。
プロトタイプを抹殺した時、真の意味で彼らは完成するのだ。
楽しみだ。





*えり*
ギルの組織のヒトなら絶対もっと頭いいこと書きますが、私にはコレが精一杯です…




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